健
健康保険
これは何か
従業員やその扶養家族の医療費を保障する強制加入の社会保険制度。会社と従業員が保険料を折半して負担し、病気やけがの際に医療機関での自己負担を軽減する仕組み。
いつ使うか
- 従業員を雇用する際に加入手続きと保険料の計算が必要なとき
- 給与計算時に健康保険料を控除する場面
- 従業員が出産や病気で休職する際の給付金を申請するとき
- 経営管理において福利厚生費を予算計上する際
- 退職者の保険切り替えや任意継続の手続きを行うとき
どうやって使うか
- 管轄の年金事務所に法人設立届と健康保険加入届を提出する
- 従業員の給与から毎月保険料を算定し控除する仕組みを給与システムに設定する
- 会社負担分と従業員負担分の保険料を毎月年金事務所に納付する
- 従業員が医療費支給申請書を提出した際に給付額を確認し処理する
- 年1回の保険料改定時に新料率を確認し給与計算システムを更新する
健康保険と国民健康保険の違いは何か
健康保険は企業の従業員を対象とした強制加入の社会保険で、会社と従業員が折半して保険料を負担します。一方、国民健康保険は自営業者や無職者向けで、個人が全額負担する制度です。
健康保険の方が保険料率が相対的に低く、扶養家族に対しても保険証が発行されるメリットがあります。また健康保険には出産手当金や傷病手当金など、国民健康保険にはない給付も用意されています。企業規模や雇用形態によって加入義務が生じる点も重要な特徴です。
保険料はどのように決まるのか
健康保険の保険料は、従業員の月額給与(基本給+各種手当)に保険料率を乗じて算定されます。保険料率は都道府県ごとに異なり、毎年厚生労働省が改定します。
2024年度の全国平均は約10%で、この半分の約5%を会社が負担し、残りの約5%を従業員の給与から控除する仕組みです。賞与についても同じ計算方法が適用されるため、企業は年間の人件費を正確に把握する際に保険料を考慮する必要があります。保険料率は公式サイトで常に公開されているため、経営計画時に確認することが重要です。
健康保険から受けられる主な給付は
健康保険の給付には医療給付と現金給付があります。医療給付は医療機関での診療費の一部を保険で賄うもので、一般的に3割が自己負担となります。
現金給付として、傷病手当金は業務外の病気やけがで連続3日以上休職した場合、4日目から給与の3分の2相当を支給します。出産手当金は出産予定日の42日前から出産後56日目までの期間、標準報酬日額の3分の2を支給する制度です。その他、出産育児一時金として子ども1人につき50万円程度が支給されるなど、従業員のライフイベントに対応した給付が充実しています。
加入対象となる従業員の範囲は
健康保険は法人企業の場合、常勤・パートを問わず全従業員が加入対象になります。個人事業主の場合は、法定16業種(製造業、卸売業、金融業など)で常時5人以上を雇用している場合に加入義務が生じます。サービス業の一部や農林水産業などは5人以上でも強制適用外で、任意適用事業所として加入することができます。
正社員は当然のことながら、契約社員やパート従業員でも雇用契約が継続的である場合は加入の対象となります。一方、日雇い労働者や超短期の派遣社員など、雇用期間が明確に限定されている場合は加入対象外となることもあります。扶養家族についても、被保険者の扶養に入ることで保険証が発行され、医療給付を受けられる仕組みになっています。
退職時の保険手続きはどうするか
従業員が退職する際、会社は退職日の翌日までに健康保険の喪失届を年金事務所に提出する必要があります。この届け出により、その従業員の保険資格が自動的に失効し、新しい職場の健康保険や国民健康保険への切り替えが可能になります。
退職後、新しい職場に就職しない場合は、元の職場の健康保険に任意継続加入することも選択できます。任意継続加入は退職後2年間有効で、その期間は自分が全額保険料を負担する仕組みです。また被扶養者がいる場合、扶養喪失届の提出も同時に行う必要があるため、手続き漏れがないよう注意が必要です。
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