
スポンサーリンク
会社を設立するとき「合同会社と株式会社、どっちがいいの?」と悩む方は多いです。
この記事では設立費用、税金、社会的信用、維持コストの4つの視点から両者を比較し、あなたに合った会社形態の選び方をわかりやすく解説します。
会社を設立しようと考えたとき、まず知っておきたいのが合同会社と株式会社の基本的な違いです。
どちらも法人格を持つ会社形態ですが、その仕組みや特徴には大きな違いがあります。
ここではまず両者の根本的な違いを押さえておきましょう。
株式会社と合同会社の最も大きな違いは「所有と経営の関係」にあります。
株式会社では出資者である株主と、実際に会社を運営する経営者である取締役が分かれているのが基本的な形です。
つまり株式会社ではお金を出す人と会社を動かす人が別々になっていることが多いのです。
株主は出資額に応じた議決権を持ち、重要な経営判断は株主総会で決定されます。
一方で合同会社では出資者と経営者が同じ人になります。
合同会社の出資者は「社員」と呼ばれますが、これは従業員という意味ではありません。
出資した人が原則として経営にも参加するという仕組みになっているため、意思決定がスピーディーに行えるのが大きな特徴です。
日本で設立できる会社形態は「株式会社」「合同会社」「合資会社」「合名会社」の4種類です。
ただし合資会社と合名会社はほとんど設立されていないのが現状です。
2023年の統計を見ても合名会社と合資会社の設立件数はそれぞれ100件以下にとどまっています。
そのため実際に会社を作るときは株式会社か合同会社のどちらかを選ぶのが一般的となっています。
合同会社は2006年の会社法施行で新しく作られた会社形態で、アメリカのLLCをモデルにしています。
有限会社が新規設立できなくなった今、その受け皿としての役割も担っています。
2023年の統計によると、新設法人のうち株式会社は約10万社、合同会社は約4万社でした。
合同会社の設立数は過去最高を更新し、初めて4万社を突破しています。
計算するとおよそ3〜4社に1社が合同会社を選んでいることになります。
設立コストの安さや手続きの簡単さから合同会社を選ぶ起業家が年々増えているのです。
合同会社は起業の選択肢として定着しつつあります。
起業を考えるときに多くの方が気になるのが設立費用ではないでしょうか。
結論から言うと合同会社の方が株式会社より約14万円も安く設立することができます。
この差額は起業したばかりの会社にとっては大きな金額です。
その理由を詳しく見ていきましょう。
会社を設立するときには法務局に登記申請をする必要があります。
このときに納める税金が「登録免許税」と呼ばれるものです。
株式会社の登録免許税は最低15万円となっていますが、合同会社は最低6万円で済みます。
この時点ですでに9万円の差が生まれているのです。
ちなみに登録免許税は資本金の0.7%で計算し、その金額が最低額を超える場合は高い方を支払うことになります。
そのため資本金が約857万円以下であれば、合同会社の登録免許税は6万円で済む計算です。
もう一つの大きな違いが「定款認証」の有無です。
定款とは会社のルールを定めた書類のことで、会社の憲法のようなものと考えるとわかりやすいでしょう。
株式会社の場合はこの定款を公証役場で認証してもらう必要があり、手数料が資本金に応じて3万円から5万円程度かかります。
さらに謄本の発行手数料も必要になります。
一方で合同会社は定款認証が不要となっているため、この費用がまるごと節約できるのです。
手続きの手間も省けるので、起業準備の時間短縮にもつながります。
電子定款を使った場合の設立費用を具体的に比較してみましょう。
株式会社の場合は登録免許税15万円と定款認証手数料3〜5万円に加えて謄本代がかかり、合計で約20〜22万円が必要になります。
合同会社の場合は登録免許税6万円のみで済むため、合計約6万円で設立できます。
つまり合同会社なら株式会社より約14〜16万円も安く会社を設立できるということです。
この差額を事業の運転資金に回せるのは大きなメリットと言えるでしょう。
ここがポイント
・合同会社は登録免許税が6万円で株式会社より9万円安い ・合同会社は定款認証が不要で3〜5万円の節約になる ・電子定款を使えば収入印紙代4万円も不要になる
「設立費用は安いけど、その後の税金はどうなの?」と気になる方も多いでしょう。
実は法人税などの税金面では合同会社も株式会社も違いはありません。
ただし会社を維持するためのコストには明確な差があります。
長期的な視点で見ると、この維持コストの差は非常に大きな金額になってきます。
合同会社でも株式会社でも支払う税金の種類や税率は基本的に同じです。
法人税、法人住民税、法人事業税、消費税などどれも会社形態による違いはありません。
例えば法人税率は資本金1億円以下で所得800万円以下の部分は15%、800万円を超える部分は23.2%となっています。
これは合同会社でも株式会社でもまったく変わりません。
会社形態によって税金が有利になったり不利になったりすることはないので、安心して選べます。
株式会社には毎年の決算公告が義務付けられています。
決算公告とは会社の財務状況を広く一般に知らせることで、通常は官報に掲載する方法がとられます。
官報への掲載費用は1回あたり約6〜7万円かかります。
一方で合同会社には決算公告の義務がありません。
つまり合同会社であれば毎年約6〜7万円の費用を節約できるのです。
10年間続けると60〜70万円もの差になるため、これは見過ごせない金額と言えるでしょう。
株式会社の役員には任期があり、最長でも10年と定められています。
任期が満了すると同じ人が続けて役員になる場合でも「重任登記」という手続きが必要になります。
この登記には登録免許税として1万円がかかり、司法書士に依頼すれば別途報酬も発生します。
合同会社には役員の任期という概念がないため、この費用も発生しません。
決算公告と役員登記の費用を合わせると10年間で70万円以上の差が出ることもあります。
コストだけを考えれば合同会社の方がお得ですが、社会的信用という面では注意が必要です。
ビジネスを進める上で会社形態が影響する場面は少なくありません。
自分の事業内容や取引先との関係を考慮して判断することが大切です。
一般的に株式会社の方が知名度や信用度は高いと言われています。
「合同会社って何?」と疑問に思う人もまだ少なくないのが現実です。
取引先によっては株式会社でないと契約してもらえないケースも存在します。
また人材採用の場面でも株式会社の方が応募者に安心感を与えやすい傾向があります。
特に大手企業との取引を想定している場合は、株式会社を選んでおくと商談がスムーズに進むことが多いです。
ただし合同会社だからといって信用がないわけではありません。
Apple Japan、Google、Amazon Japan、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンなど有名な外資系企業の日本法人は合同会社を選んでいます。
これらの企業は迅速な意思決定ができる合同会社のメリットを最大限に活かしているのです。
合同会社の認知度は年々上がってきており、以前ほど気にする必要はなくなっています。
将来的に投資家から出資を受けたい場合は株式会社の方が有利です。
株式会社は株式を発行して資金を集められるため、ベンチャーキャピタルなどからの投資を受けやすくなっています。
また将来的に上場を目指すなら株式会社を選ぶ必要があります。
合同会社は株式の発行ができないため、外部からの資金調達の面ではやや不便です。
事業を大きく成長させたいという明確なビジョンがある場合は、最初から株式会社を選んでおくと良いでしょう。
ここまで見てきた内容を踏まえて、どちらの会社形態があなたに向いているか考えてみましょう。
目的や事業内容によって最適な選択は変わってきます。
自分の状況に当てはめながら検討してみてください。
合同会社は設立費用をできるだけ抑えたい方におすすめです。
初期費用を抑えてスモールスタートしたい起業家には最適な選択肢と言えるでしょう。
また一人または少人数で事業を始める方にも向いています。
スピーディーな意思決定ができる合同会社の特徴を活かすことができます。
IT・Web系、コンサルティング、クリエイティブ系など個人のスキルを活かす事業にも合同会社は相性が良いです。
節税目的で法人化したい個人事業主にも、維持コストの安い合同会社は魅力的な選択肢となります。
株式会社は社会的信用を重視する方におすすめです。
BtoB取引が中心の事業や大企業との取引を想定している場合は株式会社を選んでおくと安心です。
将来的に投資家からの資金調達や上場を目指している方にも株式会社が向いています。
積極的に人材採用を行いたい方にも株式会社がおすすめです。
どちらか迷ったときは「5年後、10年後に会社をどうしていたいか」を考えてみてください。
大きく成長させたい、投資を受けたいなら株式会社、自分のペースで小さく続けたいなら合同会社がおすすめです。
なお合同会社から株式会社への変更は後からでも可能ですが、手続きや費用がかかるため最初によく考えて決めましょう。
合同会社と株式会社にはそれぞれメリット・デメリットがあります。
設立費用や維持コストを抑えたいなら合同会社、社会的信用や資金調達を重視するなら株式会社がおすすめです。
大切なのは「自分がどんな事業をしたいのか」「将来どうなりたいのか」を考えることです。
あなたにぴったりの会社形態を見つけて、起業への一歩を踏み出してください。
スポンサーリンク