セキュリティ公開日: 2026-10-23

暗号資産の送金を間違えたらどうなる?戻らない理由と、送る前に確かめる3つ

📝

この記事でわかること

  • 送金を間違えたとき、取り消せるのはどこまでか
  • 送る前に合わせる3つ(通貨・ネットワーク・アドレス)
  • 1文字の打ち間違いと、すり替え詐欺の違い
  • すり替え詐欺が送金の履歴に紛れ込む手口と、防ぎ方
  • 送ってしまったときに、まずやること

国内の取引所で買った暗号資産を、自分のウォレットへ初めて送ろうとしている人もいると思います。

送付の画面には「アドレスを間違えると戻りません」と書かれていて、送信ボタンの前で手が止まった人もいるかもしれません。

先に結論を書きます。

ブロックチェーンに記録された送金は、送った人も取引所も、あとから一方的に取り消すことは原則できません。

取引所によっては、ブロックチェーンへ送り出される前ならキャンセルできることもありますが、送付を実行したらキャンセルできない取引所もあります。

そして間違いは、アドレスの文字だけでなく、どの通貨を、どのネットワークで送るかでも起きます。

ですから、送る前に通貨・ネットワーク・アドレスの3つを、受け取る側の画面と合わせることが一番の守りになります。

アドレスは送金の履歴からコピーせず、最初と最後だけでなく、全部の文字を照らし合わせることが大切です。

2026年10月には、米国の Zerohash という会社が、アドレスをコピーせずに送れる仕組み「AUTH」を発表したと CoinDesk が報じました。

記事では、アドレスの確認を何度も繰り返したり、試しに少額を送ったりする手間が、送金の大きな負担になっていると紹介されています。

ただし、こうした仕組みが使えるのは対応したアプリどうしの間だけで、ふつうの送り方では自分で確かめる必要があります。

送金を間違えたら、どうなるのか

送金を間違えたときに取り戻せるかは、いつ気づいたかと、どこへ届いたかで変わります。

ブロックチェーンへ送り出される前か後かで、できることが大きく変わります。

送り出される前なら、キャンセルできる取引所もある

取引所から外へ送るときは、送付を申し込んでから、取引所がその送金をブロックチェーンに送り出すまでに、間があることがあります。

取引所によっては、この間なら申し込みをキャンセルできます。

例えば、送付の申請が手続き中と表示されている間ならキャンセルできる取引所や、届いた確認メールのリンクを押すまではキャンセルできる取引所があります。

一方で、送付を実行したらキャンセルできないと案内している取引所もあります。

どこまでキャンセルできるかは取引所ごとに違い、変わることもあります。

確認したい場合は、使っている取引所のヘルプページなどで確かめられることがあります。

いずれにしても、確認画面の実行ボタンや、確認メールのリンクを押す前が、実質の最後の見直しどころです。

ブロックチェーンに記録されたあとは、一方的には戻せない

送金がブロックチェーンに記録されると、送った人も取引所も、その記録を消したり書き換えたりはできません。

アドレスを間違えて送付が完了したら取り戻せない、と案内している取引所もあります。

それでも戻ってくる可能性があるかは、送り先しだいです。

送り先が自分の別のウォレットなら、そのウォレットから自分で送り直せます。

連絡の取れる相手のウォレットなら、新しい送金として送り返してもらえる可能性があります。

送り先が、自分が口座を持つ別の取引所の入金用アドレスなら、その取引所に相談できます。

間違え方によって、戻してもらえる・手数料がかかる・戻せない、と対応が分かれます。

誰のものか分からないアドレスでは、それが取引所の入金用アドレスであっても、回収は原則として難しくなります。

送金の記録から持ち主がどこまで分かるかは、ビットコインは匿名かの記事で説明しています。

間違いは、アドレスだけではない

「送金の間違い」と聞くと、アドレスの打ち間違いを思い浮かべる人が多いと思います。

実際には、間違いは次の3か所で起きます。

1つ目は、送る通貨やトークン(あるブロックチェーンの上で発行された暗号資産)の取り違えです。

2つ目は、ネットワーク(その暗号資産を運ぶブロックチェーン)の選び間違いです。

3つ目が、受け取るアドレスの間違いです。

どれも、ブロックチェーンの上では、ふつうの送金と同じように記録されてしまうことがあります。

次の章で、送る前にこの3つをどう合わせるかを説明します。

なぜ取り消せないのか

銀行の振り込みには、間違えたときに戻してもらうよう頼む手続きがあります。

暗号資産の送金にそれが無いのは、間に立って記録を戻す係がいないからです。

銀行の「組戻し」も、必ず戻るとは限らない

銀行の振り込みを間違えたときは、「組戻し(くみもどし)」という手続きで、お金を戻してもらうよう頼めます。

振り込んだ側の銀行が、相手の銀行に「返してほしい」と連絡する仕組みです。

ただし、銀行でも、成立した振り込みを依頼した人が一方的に取り消せるわけではありません。

例えば、ある銀行の振込規定では、受け取った人が承諾しないなどの理由で組戻しができない場合があり、そのときは本人どうしで話し合うよう定めています。

銀行でも、受け取った人しだいで戻らないことがあるのです。

暗号資産では、この「相手の銀行に頼む」という道そのものがありません。

暗号資産には、記録を戻す係がいない

暗号資産の送金は、銀行のように1つの組織が帳簿を管理しているわけではありません。

送金の記録は、世界中のコンピューターが同じ決まりで確かめ、ブロックチェーンに書き足していきます。

いったん書き足された記録を、誰かの判断で消す仕組みはありません。

送った側の取引所も、届いた先のウォレットから暗号資産を引き戻すことはできません。

取引所にできるのは、自分のところで送金を送り出す前に止めることまでです。

盗まれた暗号資産がどこまで戻るかは、暗号資産はなぜ盗まれるかの記事で説明しています。

送る前に合わせる3つ

送る前に確かめるのは、アドレスだけではありません。

通貨・ネットワーク・アドレスの3つを、受け取る側の画面と1つずつ合わせます。

送る前に合わせる3つ
※ETH・イーサリアムは例。タグ・メモは XRP や XLM など一部の暗号資産だけ

通貨とネットワークを、受け取る側と合わせる

まず、送る通貨と、送るネットワークを決めます。

同じ通貨やトークンが、複数のネットワークで扱われていることがあります。

例えば、イーサリアム本体のほか、Polygon(ポリゴン)や Arbitrum(アービトラム)といったネットワークです。

そして、0x で始まるイーサリアム型のアドレスは、こうした複数のネットワークで同じ文字列になります。

MetaMask(メタマスク)の案内でも、同じ復元フレーズからは、イーサリアムと同じ形式のネットワークすべてで同じアドレスが作られるとしています。

復元フレーズは、ウォレットを復元するための単語の並びです。

つまり、アドレスが合っていても、ネットワークが違えば、別のネットワークの上に送られてしまいます。

受け取る側のウォレットや取引所の入金画面で、どのネットワークで受け取るかを確かめ、送る側の画面で同じものを選びます。

ネットワークを間違えたときの結果は、送り先で変わる

ネットワークを間違えたときに何が起きるかは、送り先によって違います。

MetaMask は、イーサリアムと同じ形式の別のネットワークで友人に送ってしまっても、トークンは失われていないと案内しています。

受け取った人がウォレットをそのネットワークに切り替えれば、そこにあるという説明です。

これは、受け取った人がそのアドレスを自分で管理している場合の話です。

一方、取引所の入金用アドレスのように、受け取る側が対応するネットワークを決めている送り先だと、話が変わります。

指定以外のネットワークで預け入れた場合は、アカウントに反映せず、返還にも応じないと案内している取引所もあります。

また MetaMask は、イーサリアムと形式の違うネットワークへ送ってしまった場合は、取り戻せない可能性が高いとしています。

「同じアドレスだから大丈夫」とは言えないので、ネットワークは送るたびに確かめる必要があります。

タグ・メモの欄が出たら、空欄にしない

XRP やステラルーメン(XLM)など一部の暗号資産には、アドレスのほかに「宛先タグ」や「メモ」を入れる欄があります。

これは、取引所のように1つのアドレスで大勢の入金を受ける相手が、誰の入金かを見分けるための番号や文字です。

自分のウォレット宛てなら、ふつうは要りません。

ただし、受け取る側の画面がタグやメモを指定していたら、アドレスと同じように1文字ずつ正確に入れます。

取引所の中にも、XRP は宛先タグ、XLM はメモを入れているかを、送付前に必ず確かめるよう案内しているところがあります。

抜けたり間違えたりすると、受け取る側は誰の入金かを見分けられなくなります。

1文字の打ち間違いと、すり替えは何が違うのか

「1文字でも間違えたら終わり」とよく言われます。

実際には、打ち間違いの一部は送る前に見つかりますが、見つからない間違いもあります。

間違いは、どこで止まるか
※形式の確認には、チェックサムなどが使われる。似た送り先に警告を出すウォレットもあるが、全ウォレット共通の機能ではない

打ち間違いは、見つかることもあるが頼り切れない

多くのアドレスには、打ち間違いを見つけるための「チェックサム」という仕組みが入っています。

アドレスの一部が、残りの文字から計算した確認用の値になっていて、文字が変わると計算が合わなくなるのです。

例えば、ビットコインの bc1 で始まるアドレスは、4文字までの置き換えなら必ず見つけられる設計です。

ただし、実際に見つけるのは、送る画面(取引所やウォレット)がこの確認をしている場合です。

どこまで確かめるかは、取引所やウォレットによって違います。

一方、イーサリアムのアドレスは、英字の大文字と小文字の混ぜ方でチェックサムを表します。

全部小文字で書かれたアドレスにはこの確認が無く、1文字違っても正しい形のアドレスとして通ることがあります。

そのため取引所の中には、誤送信を防ぐために、チェックサム付きの表記でアドレスを表示しているところもあります。

すり替えは、形が正しいので形式の確認では見つからない

もっと危ないのは、打ち間違いではなく、正しい形をした別の人のアドレスを貼り付けてしまうことです。

この場合、チェックサムの計算は合っているので、アドレスの形式の確認では止まりません。

その典型が、詐欺をする側がわざと似せたアドレスを用意する「アドレスポイズニング(すり替え詐欺)」です。

ウォレットによっては、過去の送り先に似たアドレスを見つけて警告するものもあります。

ただし、どのウォレットにもある機能ではなく、警告が出ないからといって安全とはいえません。

最後の守りは、受け取る側の画面と照らし合わせる、自分の確認です。

すり替え詐欺は、どうやって履歴に紛れ込むのか

すり替え詐欺は、ウォレットのアプリやブロックエクスプローラー(ブロックチェーンの記録を見るサイト)に出る送金の履歴から、アドレスをコピーする習慣を狙います。

履歴に、本物によく似た偽のアドレスを紛れ込ませるのです。

送金の履歴に、似たアドレスが紛れ込む
※架空の例。どちらのアドレスも Z を含むため、実在しない文字列。USDC は米ドルと同じ値段をめざす暗号資産

本物そっくりのアドレスが、履歴に並ぶ

詐欺をする側はブロックチェーンの送金を見張っていて、あなたのウォレットから送金があると、送った相手のアドレスと最初と最後の文字が同じアドレスを作ります。

そして、そのアドレスとあなたの間で、少額の送金や、金額0の送金の記録を作ります。

こうすると、あなたのウォレットの送金の履歴に、本物とそっくりのアドレスが並びます。

次に同じ相手へ送るとき、履歴からコピーすると、偽のアドレスを選んでしまうおそれがあります。

そのため、特に気をつけたいのは、自分のウォレットから次に送るとき(取引所へ戻すときなど)です。

米カーネギーメロン大学などの研究チームは、2022年7月からの2年間、イーサリアムと BSC で2.7億件を超えるすり替えの試みを見つけました。

BSC は、バイナンスが始めたブロックチェーンです。

狙われたアドレスは1,700万を超え、6,633件で、合わせて8,380万ドルを超える暗号資産が偽のアドレスへ送られていました。

「自分が送った記録」に見えることもある

金額0の送金は、特にだまされやすい形です。

トークンの仕組みのすき間を使って、あなたから偽のアドレスへ0を送ったかのような記録が作られます。

研究でも、過去に自分が送った相手に見えるため、少額の送金より危ないとされています。

名前の似た偽のトークンを使って、本物と同じ金額を送ったように見せる手口もあります。

こうした記録が履歴に出ても、それだけで資産が盗まれたわけではありません。

そのトークンを操作したりせず、その記録を送り先として使わないことが大切です。

最初と最後だけの確認では足りない

長いアドレスは、画面では最初と最後の数文字だけが表示されることがよくあります。

そのため「最初と最後を見れば大丈夫」と思いがちですが、すり替え詐欺は、利用者が見がちな最初と最後の部分を似せてくることがあります。

MetaMask は、最初の4文字と最後の4文字が同じで真ん中が違う送り先に、送る前に警告を出すと案内しています。

同じ案内で、真ん中の文字にも注意すること、履歴からアドレスをコピーしないことを勧めています。

ウォレットが似た送り先の警告を出したら、送るのをやめ、受け取る側の画面からアドレスを取り直します。

送る前に、自分で確かめること

ここまでを、送る前の手順にまとめます。

初めての送り先や大きな金額のときほど、1つずつ確かめます。

アドレスは受け取る側の画面から取り、全部の文字を照らす

アドレスは、受け取る側のウォレットの「受け取る」画面や、取引所の入金画面から取ります。

送金の履歴や、昔もらったメッセージからはコピーしません。

貼り付けたら、受け取る側の画面と見比べます。

最初と最後だけでなく、全部の文字を、数文字ずつ区切って照らし合わせます。

送る側と受け取る側の画面を並べて、指でなぞりながら読むと見比べやすくなります。

ネットワークと通貨も、同じときに見比べます。

初めての送り先には、少額で試すことを考える

初めて送る先や、大きな金額を送るときは、先に少額を送って届くかを確かめる方法があります。

ただし、送るたびに手数料がかかる取引所では、試しに送ると手数料が2回分になります。

手数料は取引所と通貨によって違うので、送る金額とのつり合いで決めるとよいでしょう。

また、ネットワークを間違えていれば、少額でも戻らないことがあります。

届いたら、正しいウォレットに、正しいネットワークで、正しい通貨として見えているかまで確かめてから、残りを送ります。

送り先の登録は、自分のアドレスに限って使う

取引所によっては、送り先のアドレスを前もって登録しておく仕組みがあります。

登録したアドレスに、自分で分かる名前(ラベル)を付けられる取引所もあります。

一度正しく登録すれば、毎回貼り付ける手間と、貼り間違いの機会が減ります。

すり替え詐欺の研究者も、信頼できるアドレスを登録しておくことを勧めています。

ただし、登録するときに間違えると、その間違ったアドレスを毎回使うことになります。

最初の登録のときに、受け取る側の画面と全部の文字を照らし合わせます。

登録は、何度も使う自分のウォレットのアドレスに限るのが安全です。

登録したアドレスでも、ネットワークと通貨は送るたびに確かめます。

送ってしまったら、今やること

間違いに気づいたら、慌てて操作を重ねないことが先です。

取り消せる段階か、どこへ届いたかを順に確かめます。

まだ処理中なら、すぐに取り消す

取引所の送付の履歴を開き、その送金がまだ手続き中になっていないかを見ます。

取引所によっては、手続き中ならキャンセルできる場合があります。

すでにブロックチェーンに送り出されていれば、取り消せないことがあります。

次に、送金の記録を控えます。

控えるのは、取引ID(TxID)、送った通貨、ネットワーク、送り先のアドレス、タグやメモです。

取引IDは、ブロックチェーン上でその送金を探すための番号です。

送り先しだいで、頼める先が変わる

送り先が、自分が口座を持つ取引所の入金用アドレスなら、その取引所に問い合わせます。

問い合わせは、アプリの中か、公式サイトからたどった窓口を使います。

対応するかどうかや条件は各社が決めていて、返してもらえるとは限りません。

送り先が自分で管理するウォレットなのに届いていないように見えるときは、ネットワークの違いが考えられます。

イーサリアムと同じ形式のネットワークどうしを間違えただけなら、そのウォレットのネットワークを切り替えると見つかることがあります。

連絡の取れる相手のウォレットなら、新しい送金として送り返してもらえるよう頼めます。

誰のものか分からないアドレスなら、取引所の入金用アドレスであっても、回収は原則として難しくなります。

⚠️

「取り戻せる」という連絡に注意

  • 送金を間違えた人に「取り戻せる」と持ちかけてくる相手は、詐欺を疑う
  • 検索の広告、SNS のダイレクトメッセージ、サポートを名乗る連絡に注意する
  • 復元フレーズと秘密鍵は、誰にも渡さない
  • 求められても、ウォレットで署名(取引の承認)をしない

復元フレーズと秘密鍵の扱いは、ウォレットの選び方の記事で説明しています。

もっと詳しく知りたい人へ(技術的な補足)

ここからは、本文で触れた仕組みと数字の出どころを補足します。

本文の手順を使うだけなら、読み飛ばしてかまいません。

チェックサムの仕組みと限界

ビットコインの bc1q で始まる形式(SegWit の v0)は、bech32 という書き方で、BIP173 という仕様に定められています。

BIP173 によると、4文字までの置き換えの誤りは必ず見つかり、それより多い誤りを見逃す確率も10億分の1未満です。

bc1p で始まる形式(Taproot)は、改良版の bech32m(BIP350)を使い、置き換えの誤りへの強さを引き継ぐように作られています。

イーサリアムの EIP-55 は、アドレスのハッシュ値に応じて、英字を大文字と小文字に書き分ける方式です。

EIP-55 によると、打ち間違えたアドレスがたまたま確認を通ってしまう確率は 0.0247% です。

ただし、全部小文字や全部大文字の表記には、この確認が働きません。

どちらの仕組みも、偶然の打ち間違いを見つけるためのもので、わざと作られた別のアドレスを見分けるものではありません。

研究の数字が示していること

すり替えの数字は、Tsuchiya ほか「Blockchain Address Poisoning」(USENIX Security 2025)によるものです。

研究チームは、2022年7月1日から2024年6月30日まで、イーサリアムと BSC(Binance Smart Chain)で、すり替えの記録を検出しました。

2.7億件超は試みの数で、だまされた件数ではありません。

実際に偽のアドレスへ送られたのは6,633件で、合計は8,380万ドルを超えました。

偽の記録を1回作る費用は、イーサリアムで約1ドル、BSC で約1セントとされています。

研究は対策として、ウォレットがアドレスをより長く表示すること、怪しい記録を履歴から隠すこと、利用者が信頼できるアドレスの一覧を作ることなどを挙げています。

アドレスを扱わない送り方

CoinDesk によると、Zerohash の AUTH は、アプリの中で送り先の口座やウォレットを選び、サインインして承認すると送れる仕組みです。

経路と決済は Zerohash が受け持ち、利用者はアドレスのコピーやネットワークの選択をしなくて済みます。

接続先は600を超え、Coinbase、Robinhood、Gemini、MetaMask、Phantom などが挙げられています。

研究も、アドレスに人が読める名前を対応させる仕組みは、すり替えや誤送金を減らしうるとしています。

ただし、名前の仕組みには、よく似た名前を使う詐欺など、別の危険もあると指摘しています。

こうした仕組みが使えるのは、対応したアプリやサービスどうしの間だけです。

確かめた資料

送付のキャンセルと誤送付の扱いは、bitFlyer・bitbank・GMOコインの案内で確かめました。

ネットワークの指定とタグ・メモは bitFlyer の預け入れの FAQと GMOコインの宛先タグ・メモの案内、イーサリアムのアドレスの表記は bitFlyer のアドレスの FAQです。

送付手数料は bitFlyer の手数料の FAQ、送り先の登録とラベルは bitFlyer のラベルの FAQです。

組戻しは、GMOあおぞらネット銀行の振込規定の第7条・第8条で確かめました。

ネットワークの違いと似た送り先の警告は、MetaMask の案内(別のネットワークへ送った場合・アドレスポイズニング)です。

チェックサムは BIP173・BIP350・EIP-55 の仕様です。

すり替えの研究はUSENIX Security 2025 の論文、研究者の勧める対策はカーネギーメロン大学 CyLab の記事です。

AUTH は CoinDesk の2026年10月19日の記事によります。

各社の案内と手数料は、2026年10月21日時点のものです。

まとめ

💡

おさえるポイント

  • ブロックチェーンに記録された送金は、送った人も取引所も一方的には取り消せない。送り出される前ならキャンセルできる取引所もあるが、実行したらできない取引所もある。実行ボタンや確認メールのリンクを押す前が、最後の見直しどころ
  • 送る前に、通貨・ネットワーク・アドレスの3つを、受け取る側の画面と合わせる。タグやメモを指定されたら空欄にしない
  • 打ち間違いはチェックサムで見つかることもあるが、正しい形の別のアドレスは、形式の確認では見つからない
  • すり替え詐欺は、送金の履歴に似たアドレスを紛れ込ませる。履歴からコピーせず、全部の文字を照らし合わせる
  • 送ってしまったら、取引IDなどを控えて公式の窓口に相談する。「取り戻せる」と言う相手に復元フレーズや秘密鍵を渡さない

取り消しが効かないぶん、送る前の確認が一番の守りになります。

次に送るときは、送信ボタンを押す前に、受け取る側の画面を横に開いて3つを見比べてみてください。

⚠️

この記事について

本記事は暗号資産の送金の仕組みと、送金の間違いを防ぐための確認に関する情報提供を目的としたものであり、特定の暗号資産・取引所・ウォレット・サービスの利用や、暗号資産の購入・売却を推奨したり、投資を勧誘したりするものではありません。取引所やウォレットの機能・手数料・対応は各社が定めており、変わることがあります。送付の前に、お使いのサービスの最新の案内をご確認ください。誤った送付の対応は、送付先を管理するサービスの判断によるもので、返還を保証するものではありません。暗号資産は価格変動が大きく、元本は保証されていません。投資の判断はご自身の責任で行ってください。記載内容は執筆時点(2026年10月)で確認できた情報にもとづいており、その後の状況の変化を反映していない場合があります。

この記事は まず知る.com 編集部(運営:合同会社東洋DEX)が書いています。運営者と編集方針